萩原で暮らす人たちの声

松井 穂波
岐阜県下呂市萩原町出身
農業大学卒業後、地元下呂市で酪農家として新規就農
『小さな酪農家の乳製品専門店 honamilk lab.』を開業
妊娠出産を機にhonamilk lab.を休業
約2年間の産休&育休中に新ジャンルの学びを深め
2023年に米粉パンと発酵料理の教室『農家の台所ハレノヒ』をスタート
地元下呂で農家だからこそ伝えていけることをライフワークに
料理教室を営んでいる自宅の一角のキッチンカウンター越しに
人懐っこいチャーミングな笑顔で迎えてくれたのは
『農家の台所ハレノヒ』代表の松井穂波さん
今風のおしゃれでかわいらしい出で立ちからは少々想像し難いが
農家に生まれ育ち、自らも農家になったまさにサラブレッドファーマーだ。
農業大学卒業後、地元下呂市で酪農家として新規就農し、若干22歳で飲むヨーグルトやフレッシュタイプのチーズを販売する『小さな酪農家の乳製品専門店 honamilk lab.』を開業。
その後、妊娠出産を機にhonamilk lab.を休業。
約2年間の産休&育休中に米粉パンや糀や発酵など新ジャンルの学びを深め、2023年12月に米粉パン、発酵料理、糀スウィーツを中心とした料理教室『農家の台所ハレノヒ』をスタートした。
そんな彼女に、生まれ育った地元下呂での起業、出産、育児を通して『下呂市萩原町羽根』という地域について日々感じていることを聞いてみた。

羽根の土地を地域のみんなで守ろうという思いから生まれた地域内循環のしくみ
ーずばりお住まいの地域はどんな地域ですか?
「とにかく羽根は、おじさん達が熱い!!特に60〜70代のおじさん達がすごく元気なんです。
例えば人口減少に伴い耕作放棄地が増えてきたり、各家庭での農業機械の維持が難しくなっていく中で『南ひだ羽根ファーム』という農事組合法人を立ち上げ、羽根の土地を地域のみんなで守ろうという活動をされています。実際に耕作放棄地になった田んぼを『南ひだ羽根ファーム』が一括管理し、そこで収穫した米は出資者になっている羽根地域の住民が消費するという地域内循環の仕組みが出来上がっているんです。あとは羽根の住民だけの野球チームがあったり、羽根の人なら誰でも参加できる盆野球というこの地域特有の恒例行事もあって、地域住民同士の繋がりが強いのもこの地域の特徴だと思います。」
ー広々と農地が広がる羽根地区ですが、やはり専業農家さんもたくさんいらっしゃるのですか?
「そうですね。実際にうちもそうですし、専業農家をやるためにこの地域に引っ越してくる方もいらっしゃいますよ。」

【農】や【食】を通して身も心も幸せになるお手伝いをしたい
ーこの地域で自らも農家として起業されていますが、現在運営されている『農家の台所ハレノヒ』を通して伝えていきたいことは何ですか?
「『消費者とつながる農業をやりたい』という想いから最初の事業であるhonamilk lab.を始めました。
その後、妊娠出産を経て、事業形態を変えながらも常に根底にあるのは『食べることは生きること』という想いなんです。
今ってスーパーに行けば当たり前の様に肉や野菜が手に入る便利な時代ですが、そこで消費者が生産者との繋がりを感じることって正直難しいと思うんです。だからこそ、自分の料理教室で使う食材は可能な限り自分の手で育てたものや地元の生産者さん達によって作られたものを使う様にしていて、普段あまり意識していない様な生産者さんとの繋がりや四季折々の旬を感じてもらうことを大切にしています。」
ーこの春に出場されたBeauty Japan 岐阜2025(※)への参加に込めた思いを聞かせてください
「年々農業が工業化されていくなかで、本来は衣食住の中心であり人々の暮らしに最も近いはずの『食=農』が人々の暮らしからどんどん遠のいてしまっていて。どうしても手軽に手に入る加工食品やレトルト食品中心の食事に偏ってしまうことで身体に負担がかかったり、結果的に心も元気がなくなってしまったりという現状を見ていると、本来は『食』って食べただけで人が元気に、笑顔になるエネルギー源のはずなのに、、という思いが溢れてきて。
農家として、そして一人の母として、まずは日頃から家族の食事を作っているお母さんたちが元気に笑顔になる様なサポートをしたいと思いました。きっとお母さんたちが地元産の野菜を使って楽しく笑顔で料理をすることが出来たら、それを食べる周りの人たちも自然と元気になっていく。そんな『笑顔に繋がる食づくり』をより広く伝えられる良い機会になればという思いで大会に参加しました。」
(※)BeautyJapanとは??

ー最後に移住を検討している人たちに向けてメッセージをお願いします
「羽根地区は広々とした田んぼや農地もあって自然にも近い環境でありながら、ど田舎というほどの不便さはなく、生活に必要なものが身近に揃っています。田舎暮らしには車が必須というイメージがありますが、羽根地域にはバスが運行していますし、坂が少ないフラットな地形なので車を持たない人でも生活しやすいというメリットもあります。女性のお一人移住や、免許を持っていない方で田舎暮らしをしてみたいという方にも住みやすい場所だと思いますよ。地域の人たちからは”良い意味で”詮索されることもあると思いますが(笑)オープンに飛び込んでいけば力になってくれる頼もしいおじさん達がたくさんいるので安心ですよ!」
どんな時も変化することを恐れず、次々と新たなことにチャレンジし続ける彼女だが、常にその根底にあるのは『食べることは生きること』という一貫した想い。
これからもその想いと共に、彼女が一体どんな挑戦を見せてくれるのか、、『農家の台所ハレノヒ』の今後の展開から目が離せない。

よっしー
2021年秋、とある古民家との出会いをきっかけに夫婦で名古屋から下呂に移住。現在は馬瀬の美しい自然に囲まれて夫婦と猫2匹でのびのびとした里山暮らしを満喫しています♪四季を通して五感で味わえる里山暮らしの豊かさを地域の方たちに教えていただきながら日々初体験を更新中♪ここならではの暮らしの魅力をわたし目線でお届けできたらと思います!