萩原で暮らす人たちの声

どきどき萩原

安保 美貴さん

東京都出身。多摩美術大学を卒業後、飲食店で出会った仲間と共にIターンを決意。岐阜県農業大学で研修後、下呂市のトマト農家で2年の研修を経て、2018年に下呂市で就農。現在は法人化に向け、活動中。

東京から下呂へ 女性農家さん

―「農家になるのに抵抗はありませんでしたか?」

「美大を出て自分の目指す道と就職先がうまくかみ合わず悩んでいたときに、飲食店で出会った仲間が声をかけてくれたんです。納得いかない形で働くよりも、それくらい違った角度に足を踏み入れてみても面白いかなーと心を決めました。研修も就農も仲間と一緒に目標に向け、励ましあいながらやってきたのであっという間でしたね。それでもいっぱい失敗はしてきましたよ。東京では車も運転したことがなかったので、こちらに来てからは何度もぶつけながら恐る恐る運転していました。」と、トレードマークのオレンジの軽トラを見つめる安保さん。

言葉と心が通う場所

―「田舎暮らしはどうですか?」

「仕事が終わって歩いて帰っていたら、偶然会ったおばあちゃんが話しかけてくれて。話をしながら一緒に歩き、持っていた水菜を渡してお別れしました。すると翌日、家のドアノブに茹でたおり菜がかけてあって、そのおばあちゃんだとすぐにわかりました。ほっと温かい気持ちになりました。親切な方が多いなと感じています。」

 

 

NOストレス農LIFE!

―「コロナの影響は?」

「仕事にも生活にも大きな影響がでて、少なからずストレスを感じている方が多いと思います。農業はオープンエアーでの作業ですし、密を避けて作業をすることに困難は感じていません。自然の中で体を動かして働くと気持ちも前向きになりますよ。また、少しでも安心して商品を手にとっていただきたいという思いで、今年から自販機での販売も始めることにしました。ソーシャルディスタンスをとりながら、お客様との心の距離は近づけていきたいですね。」

法人化に向け広がるアイデア

―「こんな時代だからこそでるアイデアもあるのですね」

「はい。まだまだ色んな可能性が見いだせると思います。他にも、もう少し暖かい土地で冬春トマトを作り、下呂市の夏秋トマトと併せることで年間を通して安定した供給が実現出来たらいいなと思っています。同時にモノとヒトの流通が生まれ、街の活性化にもつながる。自然と清流に囲まれた下呂市で出来る新鮮な野菜を沢山の方に届けたいと思っています。」

小さな体と白い肌からはとても農業をやっているようには見えない安保さん。時代に合わせたしなやかな考えと、地に足つけた力強い一面からは、まるで彼女自身が自然を体現しているようにも感じられた。

 

 

ライター プロフィール
cune

cune

はじめまして!3人のママになり、長年暮らした下呂をまた違う目線で見られるようになりました。身近な発見や幸せを皆さんと共感できたら嬉しいです。