馬瀬で暮らす人たちの声

どきどき馬瀬

二村ナナ子(62)

出身地:下呂市馬瀬
家族構成:独身
職業:キャンプ場運営、人形製作
Uターン歴:10年

どうやって生きていくか 甲斐性だしてやっていく

春の太陽に照らされて、キラキラと光る馬瀬川。水色とは正にこの色だとハッとする。

川辺に置かれたベンチに座り、ルイボスティーを振る舞ってくれる二村ナナ子さん。

土嚢袋で作り上げたアースバックドームや、ツリーハウス、排泄物を堆肥にする コンポストトイレなど、自然と共存する手づくりのモノばかりの広場『野原のミュージアム』。

開放的な広場は、大自然と調和してどれもカワイイ。

スピードを求めず、コツコツと屋外ミュージアムをつくり続けるナナ子さんにお話を伺った。

 

もともと馬瀬出身のナナ子さんが、Uターン移住したのはちょうど10年前。

高校卒業後、関西で30年近く過ごし人形劇団で活躍。

5ヶ月の世界旅行や、タイで1年間人形劇の指導もした。

今でも人形や着ぐるみの製作依頼を受けながら、『野原のミュージアム』のキャンプ場を5月にオープンされたばかり。

 

長年離れた土地に戻るきっかけは、なんだったのでしょうか。

「花を育てたり花壇仕事するのがすごく好きで、土がさわれるところ、畑仕事ができるところへ(暮らす場所を)変えたいなと思って」と当時の思いを話してくれた。

関西近辺でも移住先を探したが、最終的には土地があって土がさわれる地元を選んだ。

 

「帰ってきて最初の1年は誰も分からず、浦島太郎状態」と振り返る。

地元に戻っても、30年離れていたらIターンと同じ状態。

この土地で何かしたいという思いはあったが、1人ではなかなか進まない。

地域に溶け込むきっかけは、友人からのご縁で、地域で自然体験を行うオーナーと繋がり、手伝いをはじめたことだという。

人との繋がりが出来はじめたことで、思いが色づき始めた。

「ずっとモノづくりと人集めをしていたから、ついついイベントを考えちゃう。」

思いついたらすぐにイベントを開くその原動力は、人との出会い。

「面白ければ遠くからでも人は来るやろ。面白ければ海外でもいくやろ?そういう感じでやっている。本当に自分の好きなことで人が来ると嬉しい。」

ひとりでは大変なことも、自分のやりたい!を発信して、仲間と一緒につくり上げていくのが、彼女のスタイル。

そこで繋がる出会いもまた楽しい。

WWOOF(ウーフ)という仕組みを取り入れているため、国内や海外から色んな人が集まってくる。雪解けと共に集う人との出会いも楽しみのひとつ。

 

「馬瀬は、自分で開拓していこうという気持ちで暮らすほうがやり甲斐がある。結局はどうやって生きていくかを、自分の甲斐性だしてやらないかんのやから。  何を求めているかで全然違う。住めば都になるんやから。」

移住当初の浦島太郎から、人との繋がりを楽しめる今の暮らしを経験してきた彼女の言葉は、ゆっくりと力強く響く。

「私がいるからおいでよ!」と笑顔で言ってもらえる存在は、何より安心の場所になるのではないでしょうか。

 

「新しい風で、個々の暮らしが成り立っていく人たちが来て、村づくりしていけたら楽しい!」

これから続く人と人との繋がりに、私もわくわくした。

野原のミュージアムHP

https://www.nohara-museum.com/

WWOOFって、なに?

World Wide Opportunities on Organic Farmsの略。

有機農場を核とするホストと、そこで手伝いたい・学びたいと思っている人とを繋ぐ仕組み。ホスト(受入れ側)は宿泊場所と食事を提供し、ウーファー(手伝い側)は力や知識を提供しながらホストを手助けする。ホストには農場、農家民宿、自然体験を営む方などが多く、ホスト、ウーファーとも登録した上で募集と応募ができる。

ライター プロフィール
tomomi

tomomi

岐阜県の各務原市で生まれ育ち、名古屋、東京生活を満喫♪そして下呂へJターン移住しました。 下呂で魅力的な人と人、土地と人を結ぶコミュニティースペース運営を計画中です。 新米市民ならではの目線で、下呂の魅力を発信していきます。