馬瀬で暮らす人たちの声
小川智哉さん(30)
出身地:岐阜県中津川市
家族構成:単身
職業:観光協会職員
移住歴:4年
馬瀬の魅力は、人と景観。
下呂市街から、車で約30分。春先の馬瀬にはまだ雪が残っていて、とても寒い。
馬瀬の情報発信基地である水辺の館に着くと、ちょっぴり傾いた雪だるまが出迎えてくれた。
「地域おこし協力隊になるのが、夢だったんですよね。だから、もう夢、かなっちゃいました~」
と話すのは、馬瀬歴4年の小川智哉さん。元・馬瀬の地域おこし協力隊である。
馬瀬に来るまで3年ほど、地域おこし協力隊の募集のある地域を訪れ、人に会い、自分が住みたい場所、自分の経験が活かせる場所を探した。その中で出会ったのが馬瀬だった。学生の頃、環境科学部に属し、中山間の研究をしていた小川さんには、この地がとても魅力的だったという。「日本で最も美しい村連合」に加盟している馬瀬は、とにかく景観がよい。どこにいても、馬瀬川のせせらぎを感じられる。大好きな自然環境に触れていられる。(運が良ければ(悪ければ?)シカやイノシシ、クマやキツネを見ることができるかもしれない)
初めて馬瀬を訪れた時、市役所の方が、馬瀬の資料とコーヒーを出してくれたことがとても印象に残っていると話す。黄色のクリームの瓶をまるで家に訪れた古い友人にするかのように、ポンと置いた。
「コーヒーを出して話を聞かせてくれた自治体は初めてだったし、それだけでなく、飾り気のない気さくな感じが、外から来る人にも壁なく付き合ってくれるのかなと思いました。」
この出会いが、移り住む決め手になったようだ。
そんな彼だが、馬瀬に移り住んだ当時、不安なこともあった。
地域おこし協力隊を通して関わる人たちの多くは、年上の方ばかり。同世代の友達がなかなかできなかった。それだけに、同期の繋がりが力になったという。
地域に溶け込むきっかけになったのは、盆踊り時期の祭りや、運動会など、地域の行事だった。そこでいろいろな人を紹介してもらい、少しずつ、「地域おこし協力隊の小川さん」を知る人が増えていった。特に消防団に入団してからは、若い人たちとの交流も増えた。
「消防団では、毎年5月下旬に大会があるので、5月初旬から練習を重ねます。その約1カ月間は毎日のように顔を合わせるので、地域の若い世代と交流する良いきっかけとなったと感じています。現在の消防団員は、25歳から50歳代で、30名ほどですね。」
2017年6月には協力隊の任期を終了し、現在は南飛騨馬瀬川観光協会の事務局として働いている。協力隊ではなくなった今も地域活性の取組みを行ったり、自然と文化が共存した地域活性を行う活動団体、馬瀬地方自然公園づくり委員会の活動にも会員として参加。
「馬瀬には、素晴らしい自然がたくさんあります。特産品の開発や、古民家活用など、ここでやるべきことをしていきたいです。体験プログラムを充実させ、様々なひとに馬瀬を体感し、馬瀬に住む人々の人柄の良さを感じてほしいと思っています。」
人、環境、地域と関わりながら、何かを生み出していくなりわいに憧れを持ってこの地に移住した小川さん。美しい景観を守り活気ある馬瀬を創っていく未来へのエネルギーを感じた。
*地域おこし協力隊って、なに?
地域おこし協力隊とは、1年から3年の期間、地方自治体から委嘱を受け、地域で生活し、様々な地域活動を行い、地域力の維持・強化を図る取組である。外部から赴くからこそできるきっかけづくりで、地域を盛り上げていく。
ひだまり葉っぱ
2006年、結婚を機に下呂市民になりました。 趣味は、ズバリ、つくる暮らし。イイ!と思ったことは、とりあえず、真似してみます。