金山で暮らす人たちの声

どきどき金山

岡戸孝明さん(69)

出身地:愛知県知多郡
家族構成:妻
職業:筋骨巡りガイド、竹細工作家
移住歴:16年

ここは、国境の面白いところ。

金山町は下呂市の最南端に位置する山あいの町です。ここに移住して16年目になる岡戸孝明さんにお話をうかがってきました。

「かつての飛騨と美濃の国は馬瀬川を境に分かれていて、それを4つの藩が治めていたんですけど、金山町はその藩領境の町だったんですよ」
と移住者でありながら、いきなり町の歴史を語ってくれた岡戸さん。この町に移り住んでから地域に溶け込もうと町の寄り合い所の管理人や公民館の主事を務め、また町おこしの活動に積極的に参加するうちに、郷土史にも詳しくなったそうです。

この町には、飛騨の郷土史を聞きながら歩く<筋骨(きんこつ)巡り>という観光コースがあります。「筋骨」とは路地裏を網の目のように繋ぐとっても細い生活道路です。今ではすっかり金山町に定着したこの<筋骨巡り>も彼の発案で、ガイド役もこなしています。

 

金山町に移り住んだきっかけについて岡戸さんに尋ねてみると、「女房の実家がここにあって、たった10分、20分行ったところで渓流釣りができるとわかって。もともと釣りが趣味だったから、だんだん一人で女房の実家に通って渓流釣りをするようになってね」と答えてくれました。

そうこうするうち、義父から「そんなにここが気に入ったのならこっちに住んでは?」と誘われ、また、勤めていた百貨店では労働組合で早期退職者の条件を良くする活動をしていたこともあって、リスクを負わなければ新しいことはできないと、53歳でついに仕事を辞めて金山町に移り住む決心をしたそうです。

そんな岡戸さんにとっての金山町の魅力は、実は渓流釣りだけではありません。「自然が豊かで景色のキレイな場所が多いこともあるけど、人があまりいなくてどこに行ってもゆったり貸し切り気分を味わえることがやっぱり一番のウリかなぁ」と楽しそうに話してくれました。

 

最近は筋骨巡りのガイドとして忙しい毎日を過ごすかたわら、竹細工の箸やスプーンも作っています。川に行ったら立派な竹が何本も転がっていて、もったいないなと思ってつい始めてしまったとのこと。以前勤めていた百貨店でも、処分寸前の商品を欲しい人たちに届けるアイデアを出してきたそうです。

「田舎は素材の宝庫。思いもよらないところに面白いことがある」

常にアンテナを張り巡らし、新しい発想を探し求める岡戸さん。これからも町おこしのキーマンとして、金山町を盛り上げていってくれるのでしょう。

ライター プロフィール
ホウ

ホウ

下呂市生まれの田舎者です。子どもの頃から田舎っていいな。と感じつつ育ちました。山の空気、川の音、最高です! 最近は子育てをしつつ、飛騨の木材を使用した小物などを製作したりしています。下呂市の面白いことが多くの人と共有できたらと思っています。