小坂で暮らす人たちの声

どきどき小坂

今井 玲南さん

インドネシア人の父と日本人の母をもつ。
下呂市萩原町で子供服とレディース服、雑貨などのお店ruunを経営。
韓国アイドルと自然を愛する1児の母。

大自然と人を味方につけ、好きな仕事でママ起業へ

~下呂市に移住する前はどんな生活をされていましたか?~

「私は生まれてから3歳までインドネシアで暮らしていました。

その後東京に移り住み、母の故郷である下呂市には年に1、2回遊びにきていました。豊かな自然や美しい川で一日中遊んだ思い出が沢山あります。

18歳まで東京で暮らした後1年間インドネシアへ語学留学をしました。

東京に戻り自由が丘にある生活雑貨やキッチングッズを販売するお店で働きました。小さな頃から可愛いものやお料理が大好きだったので好きなものに囲まれて充実していましたが、出産を機に下呂市に移住を決めました。」

~東京との生活の違いに戸惑いはありませんでしたか?~

「もともと、田舎暮らしに興味があったので戸惑いはありませんでした。アニメのハイジが住むような世界に憧れをもっていました。便利ではありませんが子供をのびのびと育てられるという面では大満足しています。

私が住んでいる小坂地区には、たくさんの自然があります。滝めぐり、魚釣り、アウトドアやシャワークライミングなど肌で自然を感じる体験が身近で出来るのは下呂に来て本当によかったなと感じることの一つです。冬には雪も沢山降るので雪合戦やかまくらをつくって大喜びしています。四季を通して大自然を味方につけ、子育てをしています。

また、近所の方が声をかけてくれるあたたかい町の雰囲気も大好きです。子供のことも気にかけてくれる家族のような感覚に居心地の良さを感じています。

ただ、都会と比べ病院が少ないことが不安に感じられます。
子供が急に病気やケガをした時はもちろんのこと、大病で手術などが必要な際は下呂市以外の病院を頼らなければいけないこともあります。今後、自分自身も歳をとってからのことを想像すると少し怖いですね。」

~今のお仕事のことを教えてください~

「子供が生まれてからはどんな形で仕事をするか悩みましたが、下呂市には子供服のお店が少なく、可愛いセレクトショップがあったらいいのになと思っていたこと、子供の体調などに合わせ都合をつけやすい仕事がよいと感じたことが理由で自営業を選択しました。
とはいえお店をオープンするのには自分だけでは分からないことも多く、地域の商工会などに相談しながら少ない自己資金と創業支援事業の補助金を受け、なんとかスタートした覚えがあります。お店の内装からレイアウト、商品のセレクトまで東京のお店で働いていた時の経験が充分に活かせたと思います。」

「実はruunは2回引越しをしています。

1・2店舗目は小坂地区で営業していましたが、地元の方から空いている住宅を使ってみないかと声をかけていただきruun飛騨萩原店として令和4年の2月に萩原地区に移転しました。主に子供服や雑貨を扱っています。
小さな町なので他の人とかぶらないように、小ロットでの入荷や価格と品質を見極めながらの仕入れを心掛けています。たくさんのお客様のおかげでオープンして今年で4年目に入ることができました。

移転前のお店は、ruunroom飛騨小坂店として継続していきます。私の母がメインとなり古着、駄菓子の販売、スタジオ、また地域の子供たちが使える学習交流スペースとして広く開放しています。」

~思い出に残っているエピソードはありますか?~

「2店舗目に移転してすぐに新型コロナが広がり始め、今に至るまで色んな困難がありました。

お客様に会えずお店も時短営業や休業になり、そのうちに楽しくて大好きだったはずの商品のセレクトにも心が入らなくなりお店を閉めようかと悩んだ日もありました。そんなとき私を支えてくれたのはお店での沢山の思い出でした。

特に初めて開いたマルシェは今でも強く心に残っています。
オープン前から列ができ、午前中で完売してしまった商品もありました。小さな町の小さなお店ですが400名以上のお客様が訪れてくださり、感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。自信につながる経験となり応援してくださるお客様のために頑張ろうと自分を奮い立たせることができました。少しずつ日常が戻りつつある中で、またこういったマルシェが開催できればなと思います。」

 

~今後について教えてください~

「世の中の状況を見つつ、また新しい試みをしていきたいなと思っています。
私は自分が好きなことの延長に仕事があるので、大前提として自分が楽しく居られることが不可欠だと実感しているからです。

子供服にも流行はいろいろありますが、私はカラフルで子供らしいデザインのものをセレクトしています。着られる期間の短い子供服だからこそ、その期間を目いっぱい楽しく可愛く彩るお手伝いができたらいいなと思います。
子供の笑顔は母にとっては一番の宝物。同じ子供をもつ母として、同じ目線で同じ立場で下呂市のお母さんたちに寄り添っていくことができたら嬉しいです。」

ライター プロフィール
cune

cune

はじめまして!3人のママになり、長年暮らした下呂をまた違う目線で見られるようになりました。身近な発見や幸せを皆さんと共感できたら嬉しいです。