寒かった下呂市にも少しずつ新しい季節が訪れようとしています。お別れもあれば、新しい出会いもやってきます。今回は季節が変わっても毎日変わらず、町の子どもたちを見守ってくれる萩原地区のスクールサポーターズの皆さんを紹介したいと思います。

 

スクールサポーターズって何をしているの?

萩原町宮田区で活動されるスクールサポーターズは、宮田小学校までの通学路の危険場所の確認や登下校中の小学生の見守りをしながら、月に1回、通信を発行し、その情報を共有しています。
元々は個人で子どもたちを見守っていた方が、通学路上にある管理が行き届いていない場所や子ども達の様子を見て「危ないな」と感じ、声をあげたことがきっかけで令和元年に発足しました。宮田には3つの区があり、宮田区では16名の方が登録、活動されています。そこから大ヶ洞区、奥田洞区にも活動が広がり現在は宮田3区の全てで、この活動が行われています。

日々の活動のほかにも、下呂市警察署と共に防犯の講習会を行ったり、各自がDVDを見て防犯の知識を高めたりしているそうです。

私も通学時間帯の道を車で通った時にちょっとした緊張感を感じたことがあります。注意を促す黄色いユニフォームや動作など、小さなことでも意識すると大きな防犯効果になることを実感しました。

どんな思いで活動されているのでしょうか?

「雪や大雨の日は面倒だなと思う事もあるが、子供たちのことを思うと自然に足が向かう。」
「元気な挨拶の声を聞くと、来てよかったなと感じる。」
「活動が始まったばかりの頃は知らない大人に戸惑い挨拶も出来なかった子が、毎日顔を合わせ、一緒に歩くうちに、自分から話しかけてくれるようになった時が一番嬉しい瞬間だ」

スクールサポーターの皆さんが口々に話してくださいました。
メンバーの中にはご自身のお子さんや、お孫さんが、小学校に居ない方もいらっしゃいます。それでも、子どもたちの名前や学年を憶えていたり、積極的にコミュニケーションを取られる姿を見ると、とてもあたたかい気持ちになりました。

一方、保護者の方、特に学校から遠いところに住んでいる方は「本当にありがたい」と話されます。
帰宅中の長い道のりのどこかで子どもを見守っていてくれる方がいると思うだけで安心するそうです。

コミュニティスクールの一環にも

この活動は文部科学省が推進しているコミュニティスクール(学校が地域住民と目標やビジョンを共有し、地域と一体となって子供たちを育む「地域とともにある学校づくり」)にもつながります。このような活動を地域の方がボランティアで行っていると聞き、驚きました。地域のなかであたたかく見守られる子ども達は、こころにいっぱい栄養をもらってすくすくと育つことでしょう。地域の方が与えてくれた思いやりの種をそれぞれの子どもたちがどのように咲かせるのか考えると未来が楽しみになります。ソーシャルディスタンスが叫ばれる世の中で、地域のつながりがぐっと近づく、素晴らしい活動だと感じました。