神事
伝統
萩原

今年は雪が少ない冬でしたが、いよいよ春の気配が感じられるようになりましたね。

春といえばお祭り!今回は私が生まれ育った萩原地区のお祭りを紹介したいと思います。

 宮田まつり~闘鶏楽~

「カランコロン」と鳴り響く鐘の音。

その音色に合わせ、宮田火神神社から奥田洞今井八幡神社までの約3キロを歩くおたび。

宮田祭はこのおたびからはじまります。

鳥毛のついた花笠をかぶり、黒や色模様の着物を着た大人や子ども達が列になって歩く姿はとても美しく、

思わず見入ってしまうほどです。

彼らの踊る「闘鶏楽(とうけいらく)」は市の無形文化財にも指定されている伝統的な舞です。

300年以上の歴史があり、五穀豊穣、無病息災を祈り奉納されます。

円の内側には「おんどり」を意味する太鼓打ち、外側には「めんどり」を意味する鐘打ちが立ち、

古くから伝わる歌を歌いながら華やかに舞います。鶏が群れ、遊ぶ姿を表現しているのだそうです。

わたしは幼い頃からずっと見てきたため、これが当たり前の光景だと思っていましたが、

こんなにも歴史がある神事だと知り驚きました。

伝統を引き継ぐ

興味がわき、30年近くこの舞を続けられている方に話を聞かせていただきました。

毎年、この地区にある3つの公民館を巡回して大人と子どもが一緒にけいこをするのだそうです。

初めて入る子どもでも二週間ほどで覚えてしまうんだとか。

周りの大人を見たり、子ども同士で教えあったりして体で覚えていくんですね。

 

また、交通事情が悪かった時代に上宝村から仕事でやって来た人がこの地区に宿泊し、

そのときにこの舞を伝授されたという意外なルーツも教えていただきました。

 

宮田祭りは4月の第一日曜日ですが、雪が降る中舞うことも何度もあったそうです。

「辛いこともあるけど、沢山の子ども達と一緒で楽しい。

これからも子ども達にこの伝統を伝えていきたいと思う一方、

大人の中でも古くから伝わる歌を歌える人が減ってきた。今後の課題も大きい」

と話してくださいました。

 こんなに素晴らしい慣習を300年以上も受け継ぎ継承してくださった方々への感謝の気持ちと誇らしい気持ちが湧いてきます。

直接、祭りの開催に関わらなくても、こういった想いを子どもに伝えたり、祭りに行くことが今の自分の役割なのだなーと感じました。

 

地域の方の熱い思いが作り上げているこの祭り。

今年もこの熱い思いと共に鐘の音が空高く響くことでしょう。

 

今年のおまつりは

2020年4月5日 日曜日

12:00 ~ おたび 宮田火神神社 出発

13:00 ~ 今井八幡宮にて お祭り開始

追記 2020年のおまつりは、コロナウィルス感染拡大防止のため中止することとなりました