こんにちは!NPO法人みらいろでふるさとワーキングホリデーに参加している真由子です!
今回は、湯めぐり館で8月25日から29日に開催されたポスター展「LAVENDER RING in Gero City」についてご紹介します。
LAVENDER RINGとは、がんへの理解を促し、がん患者の方もそうでない方も、笑顔で過ごせる未来を目指して始まった活動です。
この輝く笑顔を浮かべた方々、どんな方だと思いますか?
実は皆さん「がん」を患っていらっしゃる方々なんです。
この撮影会では、資生堂のヘアメイクアップアーティスト、フォトグラファーなどプロフェッショナルな方々が、お一人お一人の「その人らしさ」を大切にしたヘアメイク や、イキイキとした表情を撮影。最後に、その方が大切にしているメッセージを記入して、その場でポスターに仕上げていきます✨
慣れない写真撮影に、最初は固い表情をしていた方も、何十枚と撮っていくうちに表情が和らぎ、最高の笑顔が生まれるそうです。
また実際に、がんに向き合う方も、そうでない方もこの展示会を見に来ると、
「がんになっても、こんな輝くような笑顔ができるんだ!」
と勇気づけられることが本当に多いそうです。
私も実際にポスターを拝見して、写真にはそれぞれの好きな言葉が書かれていたり、好きな衣装や物と一緒に写っていたりして、その人の「自分らしさ」が、こんな素敵な笑顔を引き出すのだと感じました。
里奈さんの思いが紡ぐもの
今まで東京や大阪、名古屋で撮影会や展示会を行い、累計で約290枚(!)の写真を撮影したそう。
その展示会が、今回初めて岐阜県内で、その中でも下呂市で開催されました。
では、なぜ「下呂」なのか。
それは、下呂市出身で、がんの闘病をされながらラベンダーリングの活動に関わり、たくさんの方に勇気を与えた女性の存在があったからです。
下呂市小坂町出身の荒井里奈さん(2022年1月17日没)
40歳で腺様のう胞がん(ACC)と診断されました。
闘病生活の中でも多くの方々を元気づけようと、全国各地でがん患者に向けての講演会や撮影会、がん患者のフォーラム、各地での患者会に参加するなど、精力的に活動されていました。
そして今もなお、多くの人々に笑顔と勇気を与えてくれている女性です。
昨年の名古屋での展示会に足を運ばれた飛騨小坂観光協会の方が、里奈さんの活動に感動され、里奈さんの地元・下呂の皆さんにもこの想いを届けたい!という強い気持ちで実現しました。
今回は、里奈さんのお父様にお話を聞かせていただきました。
里奈さんは、2017年に撮影会に参加されたことをきっかけに、2019年に名古屋で初めて開催された「展示会」の実現に携わられました。
舌の切除とリハビリ、目への転移などを経験されながらも、各地での講演会、ブログ、新聞連載など、様々な活動を続けられ、里奈さんの思いからつながり、広がったご縁がたくさんあったそうです。
1日1日をとても大切にされ、同じがん患者の方のために、何か自分にできることはないかと常に考えていらっしゃいました。そんな里奈さんについて
「がんになってからは、すごくすごく 濃い人生だった」
とおっしゃっていたお父様の言葉が、とても印象的でした。
ネガティブなイメージを抱きがちな「がん」ですが、全国のがん患者さんと繋がり、同じ思いを持った方との交流の輪をどんどん広げ、多くの方に勇気を与えた里奈さんの存在は、今もなお、私たちの背中を押してくれます。
《里奈さんと仲間の思いから生まれた「猫舌堂」のスプーンとフォーク🥄薄くて軽く、手術などの影響で、食事へのバリアを感じていても使いやすいデザインになっています》
「Life Goes ON」人生は続く
これは、里奈さんが大切にされていた言葉だそうです。
自分や周りの人にどんな変化が訪れても、辛いことや嬉しいことがあっても、それでも人生は続いていく。
だからこそ、1日1日を大切にしながら、前を向いて自分の人生を生きるという姿勢を、今回の取材を通じて学びました。
お父様のもとには今でも、里奈さんの新聞の連載を見て勇気をもらっていたという方から、お礼やお手紙が届くそうです。
2年以上が経ってなお、たくさんの人にパワーを与え続けている里奈さんの影響力の大きさに、畏敬の念を感じずにはいられません。
人の人生は、その人自身がいなくなったとしても、仲間や周りの方の人生が続き、記憶に残り続けることで終わらないのではないかと感じました。
里奈さんの地元でのこの展示会が、少しでも多くの方の目に触れ、心に残り、ずっと思いが引き継がれていくことを願っています。
私も、今回の展示やお話で学んだことを忘れず、心に留めておきたいと思います。
そして、まずは下呂での残りの日々を目一杯楽しみます!