今年の冬は寒さが厳しく、全国的にも雪がよく降りましたね。
2月の季語には 残雪、雪しろ、雪間草(春になり気温が暖かくなり、周りの雪が溶け始め、その間から萌え出た草々のこと)など、『雪』という言葉が多く使われており、古くからこの時期にはまだまだ雪が見られたことがうかがえます。
子供たちは雪が大好き。
雪の降った週末には、我が家の子供たちも朝からソワソワ。朝食を食べるとすぐに外に出て行ってしまい、しばらく帰ってきません。
下呂で育った私も幼いころは毎年、庭で『かまくら』を作って遊ぶのが雪の日の最大の楽しみでした! そして、おやつは雪の中に隠した、みかん!!
キーンと冷えたみかんが格別に美味しくて、冬を彩るあま~い思い出として、今でも心に残っています。
大人になると、この雪にも素直に喜べなくなってきますが、冬の代名詞である『雪』をあじわえるのは下呂市の魅力の一つではないかと思います。
一家に一台とは言わず、いくつもある雪かきの道具。
寒いなか、雪かきをしているとだんだん体がぽかぽかしてきます。
雪かきをした家の前は、そこだけが切り取られたかのようにキレイに片付き、全く別の景色へと変わります。
私はこのキレイに雪かきされた情景に、いつも"おもてなし"の心を感じます。
雪の降る中、訪れてくれる人が足を滑らせないようにとの 思いやり。
「よく来てくださいました」という メッセージ。
朝早くに出ていく家族への「行ってらっしゃい」の エール。
また、帰ってきたときの「お帰りなさい」の お迎え。
そんな暖かな気持ちが感じられ、いつも目を止めてしまいます。
普段は見えない生活の一部をみせてくれる雪。
それは足跡にも。
大きいもの、小さいもの、可愛い肉球を引き連れているもの…
そのひとつひとつにストーリーがあるようで、その足跡を追っていきたくなります。
山に近い道を歩くと、普段は見ることができない山の住人たちの生活が、ちょっとだけのぞき見できるのも、雪の日のお散歩の特典です。
何度も何度も寒の戻りがある中を乗り越え、新しい季節を迎える。
いま、世の中も苦しい決断を迫られることがたくさんありますが、いつか、みんなが安心して動ける時代がやってくる。つらい時期にも楽しみを見出し、前向きに進んでいける気持ちを持ちたいですね。穏やかな春の前に降る雪を見ていると、まるでこの時代を現し、激励しているようにも感じられます。
あたたかい風は すぐそこまでやってきています!