野菜を扱う感覚でコーヒー豆を売っていきたいです。

下呂では名の知られた創業40年の喫茶店「緑の館」。同じ敷地に建つコーヒー豆焙煎専門店が、オーナーの息子で焙煎を10年担当していた野村祐貴さんが開いた店です。木製のドアを開けると、なんとも言えないコーヒー豆のよい香りにつつまれます。
コーヒーは苦いものと思っている人も多いですが、野村さんは「それは思い違いです。豆によって甘いもの、スパイシーなもの、いろいろあるのを知ってもらいたい」と言います。そのため、店が大事にしているのはテイスティング。お客さんの好みを考えながら、「少し驚きがありそうな豆をあえて挽いて、コーヒーの奥深さを味わってもらっています」と野村さん。
順調に固定ファンがつき始めた店の次の目標は、インターネット通販でもファンを増やしていくこと。「今の時代だからこそ、この場所で全国を相手にビジネスをする、それが可能なはず」と抱負を語っています。

野村祐貴さんに聞きました

Qコーヒー豆焙煎専門店を開くきっかけはなんですか?

Aコーヒーの味は8割が素材にかかっているんですね。新鮮な野菜が美味しいように、まずい豆を丁寧に焙煎しても無理がある。なので、コーヒー豆の仕入れが商社まかせなのが嫌で、自分で豆を仕入れて焙煎したいと考えていたのです。野菜を扱う感覚でよい豆を仕入れて売っていきたいって気持ちが強くありました。
そんなとき、目の前に手ごろな値段の中古の大型焙煎機が売り出され、「緑の館」にはそんな大きな機械を置くスペースがないし、自分で店をやりたいって気持ちもあったんで、焙煎機を置き、ゆっくりコーヒー豆を選んでもらえる店を作ったんです。

Qインターネット販売に力を入れたいと考えているとか?

Aそれは、思いは強いです。今は“下呂の”緑の館だけど、全国区にはなりたいと思っています。田舎の下呂でも、全国レベルでやってやろうという野望というか、気持ちがあります。無理だなんて決め付けては話が終わってしまいますから。
そのために、売れるようなホームページの作り込みにもこだわっていますし、ネット通販とは言え、1人1人のお客様に向き合うような印象にしたいとオマケをつけるとか、いろいろ工夫していこうと思っています。

Q天皇陛下に出したロイヤルブレンドの味は?

A天皇陛下がノーベル物理学賞をとった小柴昌俊博士を訪ねて飛騨に来訪されたときに、「天皇陛下がお飲みになるコーヒーを特別に考えてほしい」という依頼があって、提供しました。事前に陛下が苦いのがお好きとかの情報がなかったので、優しい味わいで香りが高いもの、ということでカリブ海系のマメをメインで使って配合してみました。
同じコーヒーが飲みたいって声がけっこうあって、天皇陛下のお名前を出すのはどうかと最初は躊躇したんですけど、お店で同じブレンドのコーヒー豆を販売し、「おいしい」と人気があります。

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