コンビニやスーパーはないけど、緑と夜空があります。

2大学卒業後、テレビCMの制作会社で毎日忙しくがんばっていた中桐由起子さん。2011年の東日本大震災をきっかけに、「もっと違う生き方があるのでは?」と思い、退社。もっと広い世界を見てみようとオーストラリアとニュージーランドへ留学。田舎に住んで「自分で育てて食べ、身の回りでないものは作る」というカルチャーを体験して帰国。
現在は「地域おこし協力隊」の隊員として、下呂温泉街から車で約15分の農村の上原地区に移住。空き家だった民家を借りて、自然に根ざした「自分らしい生き方」を模索中です。また地域を活性化するためのイベントなどを企画し、地域の魅力を発信する活動も行っています。

中桐由起子さんに聞きました

Q上原地区はどんなところですか?

A野山がまだまだ残っていて、四季を感じた生活が出来るのが素敵だと思います。夜もほんと暗いんですね。でもそれがまた素敵なんです。山、川、田んぼ、自然に囲まれた集落で、コンビニやスーパーはないけど四季それぞれに、景色、生活、食べ物が変化し、昔からの生活模様や知恵がたくさん残っています。野菜を多めに作ってお互いに交換しあう文化とか、人と人のつながりと温かさが魅力です。また、子どもがとてものびのびと暮らしていると思いますね。

Q普段はどんな生活をしているのですか?

A畑を借りてトマトやナスなどの野菜を作ったり、田植え、稲刈り、わらぞうり作りなどを体験してもらう 「お米づくりと里山のごはんイベント」を実施したりしています。また、この地区は住む人がいない空き家も増えているので調査して、活用法などを考えたりしています。
あとは、エゴマを栽培してエゴマ油をとることに取り組んでいます。町で売っている市販品は原材料も製造過程も人まかせで、安全なものかどうかもわからない。だから、エゴマを育てるところから油を絞るところまで一貫してやってみたいと思っています。

Q移住してきて地域に溶け込むのは難しくなかったですか?

Aほとんど農業経験がないので、周りの人にホントに教えてもらっています。みんな優しいし、生活の知恵をすごく持っていますので、いろいろ聞いては、なるほどって実践しています。
溶け込むには地域の伝統を一緒に大事にすることだと思います。この地区に国の重要文化財に指定されて歌舞伎小屋「白雲座」があって、年一回、地域の人が役者になり歌舞伎公演を行うのですが、私も役を与えられて演じました。一緒に練習したりすると地域の住民の1人になった気がして嬉しかったです。

中桐由起子さん_001

中桐由起子さん_002

中桐由起子さん_003

Back To Top